多肉植物を買ったら、エアプランツがおまけで付いてきた。
多肉植物とは、めちゃくちゃざっくり言えば花と草とサボテンを足して2で割ったような植物。
エアプランツは「エア」と付くだけあって、植物なのに風の中で生きてるようなふわふわした草。
…と思ってました。
お迎えするまでは。
エアプランツ、本当に最初はダウンからたまに飛び出す綿毛みたいな儚さでした。
心配で出勤と退勤のたびに様子を確認してた。
ところが彼ら、本来は砂漠などの水の少ない場所に暮らす生き物。
そうした場所はスコールがある。
だから水やりは「週1~2くらいに、1~2時間水に浸けおく」という予想外過ぎるやり方。
霧吹きかと思ってた。
そうか、それが彼らの日常か。
10日もするとこの意外な給水にも慣れてくる。
彼も今の生活に慣れてきたのか、みるみるうちに瑞々しくなっている。
そこら辺の枯草みたいだったのに、中心はたっぷりと水を蓄えている。
水を貯えるタイミングの狭間くらいになると葉先はしなっとしてくるのに、水を飲むと待ってましたと言わんばかりに肥え太る。
水しか含んでないのに。
その繰り返しで一緒に暮らし、それでも初めてのエアプランツの心配さで毎日確認してしまう。
僕の不安そっちのけで水を含み、時間で絞られの繰り返しを見ながら過ごすのが日常になってきた。
最近ではエアプランツの中心部が筋肉みたいな引き締まりを見せてきた。
ひっくり返すとエイリアンのアゴみたいな根っこを見せてる。
違う意味で心配になってきた。
そんな日々でまた1か月過ぎた。
エアプランツの根っこはそろそろ「キシャー!」とか言いそうなくらい根っこを広げている。
ついでに実家で放置されてた多肉とエアプランツにも、月2で訪れるしついでに…と思いそのたびに水をやるようになっていた。
彼らも「ええーっ…」というレベルで復活してきた。
うなだれたミョウガみたいなエアプランツは根っこから子供が2人も生まれたし、瞳を閉じっぱなしで首を落とされる前の竜みたいな多肉もなんか新しく小さいのが出てきた。
放置が長くて名前もよく分からなかったくらいなのに。
ちょっとしたオマケから日常にプラスが生まれ、気づいたら根付いてた。
わりと余裕がないわりに、日々の隙間に根っこを伸ばした生き物。
なんとなく、で取り入れたのに、取り込まれたのか分からないような日常になっている。
日常とは、そんな繰り返しだと思う。
逆に日常から手放すものもあると思う。
手にするものも、離れるものもどちらも大切なもので、どれも何もかもが日常だと思い生きている。
もちろん大きなクサビのようなものもある。
とはいえ、きっと何年か後も今知らないものが増え、違うものが消えている。
おなじような繰り返しの中、気づいたら…が繰り返してるのが「私の日常」だと思う。
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